2013年02月11日

メイド イン ジャパン3(足元を見る)

前稿ではメイドインジャパンの復興の鍵みたいな事を書きましたが、それは NHKへの寄稿文を要約したので書けていない事もあり、この場ではもう少し書いてみようと思います。
 
 そこでは、40年伝統工芸に従事し、20年ネットでの情報発信、ここ10年取り組んで来た新たな試みや挑戦してきた事から、今日本のものづくりが岐路に立っている事の現状や問題点から、日本が外貨を稼いでいる(?)大手メーカーが、円安に頼る安易な企業意識に対しての危うさを感じる事などを、表してみたいのです。
 だが、私は評論家ではなく漆に関わる一職人であり、ましてや文筆家でもなく、稚拙な表現や誤字脱字もあるかもしれません事をお許しください。
 メイドインジャパンの危うさを強く感じたのは、8年前からパリ国際見本市に出展したときからです。
支援組織が、日本のものづくりとくに伝統工芸などに関する打ち出し方が、Made in Japan+Japan Designです。だがそこでのものづくりは、日本の伝統工芸の現場を知る者としては決して満足したり自慢できる日本の技ではないのです。海外の人達を甘く見ているのか、日本からの出展物がメイドインジャパンと紹介される事が残念だと思いました。何年も出展を重ねていくと色々判って来たこともありますが、大切なのは有能なバイヤーや目利きのエージェントに、真の日本ならではの技や商品だと受けてもらえるようなものづくりや自信作でないと「Made in Japan」だと紹介してもらいたくない。だけど私が考えるような重みのあるブランド名ではないのかもしれませんが。
 ここまで書くと、あなたはどんなものを出展したのと疑問を持たれるかも知れませんね。当初から海外の展示会では商品ではなく技術を紹介したいと考えていました。日本ならではの漆芸装飾技術を紹介したい。小さな個人事業の工房が海外の展示会に行って何か可能性や効果を見出せるのは、それしかないと云うより、やる価値があると思ったからです。
 その結果がどうであったかは、あとで書くことにして、中小の企業が自分たちのものづくりに対して迷っている、それは今まで順調に仕事を続けられてきた中で、自分たちが自信を持って打ち出せる技を活かせる場を見失っている。はたまた挑戦することに怠慢であったのか、それは景気に乗ってしまっていたのではないだろうか。ただ小規模な企業であっても、これこそがMade in Japanだと自慢できる技を持って事業成果を獲得している企業が多くあります。それらの企業は、わざわざメイドインジャパンとは言わないでしょうね。
 だが、円安頼みの大手メーカーや日本の雇用を支えてきた企業のものづくりの問題点が、以外にも足元にあるのではないだろうか? 残念ながら日本ではiPhoneやiPadのような世界戦略規模の商品が生まれないでしょう。技を生かせていないし、海外の成功企業のようなコンセプトが日本では生まれでないのではないか。
D通信会社が市場を意識するが為、隣国企業の戦略商品に頼ってしまっている現状だから残念だ、日本がメイドインジャパンを生かせていない事も、考えてみないといけないと思う。
 だが、ジョブズ氏亡き後、アップル製品の品質のディテールが少し変わったのは、気になります。

続く

ジョブズファンの職人が考案した iPhone装飾を紹介します。






posted by 漆ネット at 11:26| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

メイド イン ジャパンに関して2

NHKで日本の家電メーカーの破綻を描いたドラマで、現代の大手メーカーが抱える問題点をとりあげた「メイド イン ジャパン」が放映されました。フィクションだけれど、どこかの会社がこんな危惧にさらされているのではないかと思われるリアルな内容で、私も今日本の製造メーカーの問題点を伝統工芸のものづくりと合わせて気にしていた事から、興味深く見ました。

漆業を江戸時代からつないでいる小さな工房です。10年以上前から技術の発揮する場を求めて、パリなどの国際見本市出展を重ねて、ものづくりも見てきた。
ドイツやスイスまたパリのブランドメーカーや内外のものづくりを見比べる機会もあります。日本のデザイナーやプロデューサーが打ち出すものづくりが、日本の雑誌などで紹介される事とどこか乖離がある事も感じています。
アップルのジョブズ氏は、ものづくりの現場に大変興味があったそうです。現場や技術に対しての知識や執着が海外のブランドメーカーほどに、日本のメーカーはあるのだろうか。ものづくりが忙しかった頃、下請の技術企業と親企業との関係がどうであったのだろうか。受身で仕事をさせられ、本来挑戦的である技術企業の体質を失わせたのではないだろうか。
美術の話ですが、大胆なデザイン力が際だつ琳派の絵師たちは、美術専門家をだますほどに見事に箔足を描ける技術職人達の技を必要としていた。
イタリヤの技術を持つ繊維工房は、インパナト―レと云う業態がコンバーターとなり、存続させたという。
日本での本来のメイドインジャパンの復興は、常に挑戦する優秀な技術集団と企業をつなぐ真のコンバータを必要としている。また、そこには市場成果の対価に見合う、十分な報酬が伴わなくてはならないだろう。

透明素材を漆芸の手わざで装飾する技術をパリ国際見本市で紹介して、色々な商品やインテリア空間を装飾する技術を開発。 iPhoneを飾ってみました
詳細ページ

posted by 漆ネット at 01:59| Comment(0) | 職人 工芸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月10日

iPs細胞 山中伸弥教授おめでとうございます

山中教授が記者会見で 「Made in JapanでiPS細胞の実用化を・・」と語られたコメントに、深く感じ入りました。

日本のものづくりがここ10年混迷していたが、残念ながら大手メーカーの危さが露呈しだしました。
それは、世界の市場がそれなりにバランスが取れている状況下で、中国が世界市場に進出し急成長遂げたが、リーマン後EU市場のあおりをまともに受けだしたのが中国で、中国景気に乗っていた様に思っていた日本だが、実は単にコストを考えた日本メーカーの思惑と、中国の品質アップに日本のメーカーが貢献しただけだったのではないだろうか。

その点ドイツの主要メーカー、特にものづくりメーカーは堅実で、10年先やもっと先を見ていたように思う。
それこそが、伝統やブランドを大切にする事や、長く会社が存続できる重要の要素ではないだろうか。
海外の国際見本市に何度も行ってみて、海外のものづくりやデザインと比べ、日本の「メイド イン ジャパン」と銘打った商品とデザインや品質を見ると、日本のものづくりの危うさを感じていました。
何かそこには、軽いものを感じるのです。地に足がしっかり着いていないというか、安易にデザインを借りていたり、本来の日本ならではの品質を大切にしたものづくりとはこんなものだったのだろうか、どこか違和感があるのです。
世界にMade in Japanと銘打った商品を作るなら、本当に自信を持ってまた誇りを持って紹介できるものづくりをしないと、日本のものづくりに将来はと云うより明日は無いと思うのです。

後日は、山中教授の「Made in JapanでiPS細胞の実用化を・・」と語られたコメントに
日本のものづくりの復興のヒントがあるのではないかと思うことを書きます。
posted by 漆ネット at 15:51| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月10日

江戸時代のものづくりと物流

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江戸時代 漆業を営んでいた先祖が商いで乗ったと伝えられる北前船を再現建造した船を見てきました。

外観より乗ってみると意外と大きかったが、乗船客数は15人から20人ぐらいだと聞かされると、船賃は幾らだったのだろうかと気にかかりました。商い先は古文書からは北海道らしかったので、商いに賭ける金銭だけではなく、先祖の根性をあらためて感じました。

私が、初めての海外がパリで3回目は一人言葉もほとんど話せないとはいえ、格段の違いがあります。

先祖の商い旅には大変な事も多かったと聞きます。


続き

新たな装飾にチャレンジ
posted by 漆ネット at 19:54| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月16日

現在の蒔絵万年筆を考え 印籠蒔絵に学ぶ事

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この蒔絵は、光悦と宗達による「四季草花下絵和歌巻」を蒔絵にえがいた制作品

蒔絵は、技術だけではなく描くものにそれなりに思い入れが無くては、結果として良いものが出来ません。
蒔絵千年の歴史の中で、今残っている名品といわれるものもそうだけれど、時代を映しているように思う。
人は、蒔絵の技術においては室町時代にある程度完成された言います。

私は、そうともいえないと思いますが、現在漆器以外の色々な製品の装飾に蒔絵など漆芸の技が使われていますが、
それらを見ると、そう思ってしまいます。京都国立博物館で長く在籍されて蒔絵の研究をされていました故 灰野氏は、生前
よく口にされていましたが、日本の文化が育ててきた蒔絵装飾は終わったとさえ口にもらしていました。
灰野氏の蔵書を見ると、蒔絵に対する思いは本当に深く、ファンでもあったことが伺え知れます。
だから、漆芸装飾技術の発揮できるステージを、松田先生をはじめとする先達の漆人と同じように考えておられたのだと思います。

先だっても、海外の万年筆や時計メーカーの事を引き合いに出しましたが、江戸時代には印籠蒔絵が作られました。
日本でも大変ファンの多い、スイスなど欧州の時計や万年筆の大胆で精密な仕掛けや装飾には、百年以上前の海外万博で
日本の工芸の技が紹介され、中でも、印籠蒔絵などからずいぶんと欧州のものづくりに、刺激を受けたのではないだろうか。

現在の蒔絵万年筆を考えると 印籠蒔絵が生まれた状況にどの様な人達がどう関わった考えるべきとおもう。
また、時計にしてもそうで、ただ精密な技術や仕掛けを入れて3千万円では、海外のものには追いつけないと考える。

漆ネット
posted by 漆ネット at 13:12| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月15日

海外の万年筆メーカーと日本のメーカーのものづくりの考え方の違い

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時々たずねる パリの高級万年筆販売店にて見かけた万年筆。
中央の万年筆は、Caran d'Ache1010 ゴールド 世界で10本の限定販売2千万円の万年筆 
右は、日本の蒔絵万年筆(この万年筆のほかにもナミキのハイエンドペンも店内に有り)

世界の最高級のファッションペンの価格は何千万円、日本を代表するペンメーカーの蒔絵万年筆が百何十万円。
また、腕時計も同じように価格が1桁違うのです。
中には有名メーカー外で1千万円クラスのものも無くもはないが、日本のメーカーと海外のメーカーのものづくり(装飾も含め)に対する、考え方やスタンスの違いがあらわれています。


蒔絵や漆芸の事色々ホームページ(コラムなど)

posted by 漆ネット at 04:26| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月17日

機械式時計の製作現場 ジュネーブにて

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少し古い写真ですが、ワールドカップサッカー大会がスイスで開かれた時に仕事で行っていて、レマンの噴水にサッカーボールがセットされていました。


スイスの時計職人の工房を訪ねた時の事をお話します。
スイスやドイツなどで作られる、機械式時計は世界に知れ渡る、ブランドです。その製作の現場を見ることが出来た事は、大変ラッキーな事でした。ドイツのメトロノームの会社工場を訪ねた時もそうですが、カメラは当然ながらマナーから写せませんので、写真は撮れませんが、かなり詳しく案内してくれるのです。次の機会にその様子を書きます。

その時計製作やダイヤの装飾の現場は、さすがでした。
私達の蒔絵の作業もそれなりですが、これぞハンドメイド、マイスターの仕事だと感じました。またプロダクトデザインが、職人技と見事にマッチしている。また更に、マーケッティングがしっかりセットされているのです。このバランスが世界が注目される市場を作っているのだと確認できました。

日本の漆芸技術も凄いではないかと、言われましたが、日本の現状を比較してしまい、情けない思いをしてしまったジュネーブ日記でした。
posted by 漆ネット at 15:43| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月16日

職人の仕事場の映像




このブログをごらん頂いているみなさまに、私の普段の仕事場の風景を映像でごらんいただきたいと思います。

漆芸の技術で「蒔絵」は、金粉を蒔いて絵を描く事が語源とされています。

この映像は、蒔絵の作業で、粉入れ作業前の「地塗り」というシーンです。
金粉を蒔くために、絵漆(朱合漆)で薄く模様を描いています。そこの金粉を筒に入れて、指でたたき微妙なたたき具合で、淡く蒔いたり濃く蒔いたり変化をつけて蒔く。
専門的な言葉や用語を使いましたが、より詳しい技法解説に関しては漆ネットhttp://urushi-net.jp の中に蒔絵技法を解説しているところがありますので参照してください。
posted by 漆ネット at 16:51| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月15日

チューリッヒは 素敵な街です

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チューリッヒは素敵な街でした。

寂れた様なドアの写真だけでは、チューリッヒを好きな人達には申し訳ないので、湖口近くの写真も載せておきます。
また早朝でもあかりが灯り、水が流れ落ちる仕掛けが凝ったショーウィンドウなど、色々各お店の個性や見せ方も含め、何か日本との根本的な違いを感じました。

さらに漆や漆芸の事あれこれ書いています。
漆ネットhttp://urushi-net.jp をご覧下さい


posted by 漆ネット at 10:14| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

スイス チューリッヒの街で見かけたドア デザイン

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スイス チューリッヒの川沿い近くの、少し寂れた商店通りのドアです。個性的なデザインで、隣同士であっても、それなりに個性を出している。パリなどの旧市街地の規制ある雰囲気とは違い、かなり自由があり、街歩きしても結構ショーウィンドウなどの見せ方も面白く楽しめます。
この写真は、皆さん気がつかれたかもしれませんが、ドアのノブがセンターにあるのです。私が知らないのかも知れませんが、日本では見た事無いです。動線を考えると押す位置から考えると、これは有だとも思うのですが、はたして内側のノブの位置は?

蒔絵職人は、こんな風にドアや、透かしの飾りのデザインなどにも、ついシャッターを押してしまいます。
今後も、職人が見たもの、考える事など色々書き連ねていきますので、ご興味がある方ごらんになってください。
posted by 漆ネット at 09:45| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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