2012年10月10日

iPs細胞 山中伸弥教授おめでとうございます

山中教授が記者会見で 「Made in JapanでiPS細胞の実用化を・・」と語られたコメントに、深く感じ入りました。

日本のものづくりがここ10年混迷していたが、残念ながら大手メーカーの危さが露呈しだしました。
それは、世界の市場がそれなりにバランスが取れている状況下で、中国が世界市場に進出し急成長遂げたが、リーマン後EU市場のあおりをまともに受けだしたのが中国で、中国景気に乗っていた様に思っていた日本だが、実は単にコストを考えた日本メーカーの思惑と、中国の品質アップに日本のメーカーが貢献しただけだったのではないだろうか。

その点ドイツの主要メーカー、特にものづくりメーカーは堅実で、10年先やもっと先を見ていたように思う。
それこそが、伝統やブランドを大切にする事や、長く会社が存続できる重要の要素ではないだろうか。
海外の国際見本市に何度も行ってみて、海外のものづくりやデザインと比べ、日本の「メイド イン ジャパン」と銘打った商品とデザインや品質を見ると、日本のものづくりの危うさを感じていました。
何かそこには、軽いものを感じるのです。地に足がしっかり着いていないというか、安易にデザインを借りていたり、本来の日本ならではの品質を大切にしたものづくりとはこんなものだったのだろうか、どこか違和感があるのです。
世界にMade in Japanと銘打った商品を作るなら、本当に自信を持ってまた誇りを持って紹介できるものづくりをしないと、日本のものづくりに将来はと云うより明日は無いと思うのです。

後日は、山中教授の「Made in JapanでiPS細胞の実用化を・・」と語られたコメントに
日本のものづくりの復興のヒントがあるのではないかと思うことを書きます。
posted by 漆ネット at 15:51| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月10日

江戸時代のものづくりと物流

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江戸時代 漆業を営んでいた先祖が商いで乗ったと伝えられる北前船を再現建造した船を見てきました。

外観より乗ってみると意外と大きかったが、乗船客数は15人から20人ぐらいだと聞かされると、船賃は幾らだったのだろうかと気にかかりました。商い先は古文書からは北海道らしかったので、商いに賭ける金銭だけではなく、先祖の根性をあらためて感じました。

私が、初めての海外がパリで3回目は一人言葉もほとんど話せないとはいえ、格段の違いがあります。

先祖の商い旅には大変な事も多かったと聞きます。


続き

新たな装飾にチャレンジ
posted by 漆ネット at 19:54| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月16日

現在の蒔絵万年筆を考え 印籠蒔絵に学ぶ事

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この蒔絵は、光悦と宗達による「四季草花下絵和歌巻」を蒔絵にえがいた制作品

蒔絵は、技術だけではなく描くものにそれなりに思い入れが無くては、結果として良いものが出来ません。
蒔絵千年の歴史の中で、今残っている名品といわれるものもそうだけれど、時代を映しているように思う。
人は、蒔絵の技術においては室町時代にある程度完成された言います。

私は、そうともいえないと思いますが、現在漆器以外の色々な製品の装飾に蒔絵など漆芸の技が使われていますが、
それらを見ると、そう思ってしまいます。京都国立博物館で長く在籍されて蒔絵の研究をされていました故 灰野氏は、生前
よく口にされていましたが、日本の文化が育ててきた蒔絵装飾は終わったとさえ口にもらしていました。
灰野氏の蔵書を見ると、蒔絵に対する思いは本当に深く、ファンでもあったことが伺え知れます。
だから、漆芸装飾技術の発揮できるステージを、松田先生をはじめとする先達の漆人と同じように考えておられたのだと思います。

先だっても、海外の万年筆や時計メーカーの事を引き合いに出しましたが、江戸時代には印籠蒔絵が作られました。
日本でも大変ファンの多い、スイスなど欧州の時計や万年筆の大胆で精密な仕掛けや装飾には、百年以上前の海外万博で
日本の工芸の技が紹介され、中でも、印籠蒔絵などからずいぶんと欧州のものづくりに、刺激を受けたのではないだろうか。

現在の蒔絵万年筆を考えると 印籠蒔絵が生まれた状況にどの様な人達がどう関わった考えるべきとおもう。
また、時計にしてもそうで、ただ精密な技術や仕掛けを入れて3千万円では、海外のものには追いつけないと考える。

漆ネット
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2011年05月15日

海外の万年筆メーカーと日本のメーカーのものづくりの考え方の違い

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時々たずねる パリの高級万年筆販売店にて見かけた万年筆。
中央の万年筆は、Caran d'Ache1010 ゴールド 世界で10本の限定販売2千万円の万年筆 
右は、日本の蒔絵万年筆(この万年筆のほかにもナミキのハイエンドペンも店内に有り)

世界の最高級のファッションペンの価格は何千万円、日本を代表するペンメーカーの蒔絵万年筆が百何十万円。
また、腕時計も同じように価格が1桁違うのです。
中には有名メーカー外で1千万円クラスのものも無くもはないが、日本のメーカーと海外のメーカーのものづくり(装飾も含め)に対する、考え方やスタンスの違いがあらわれています。


蒔絵や漆芸の事色々ホームページ(コラムなど)

posted by 漆ネット at 04:26| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月17日

機械式時計の製作現場 ジュネーブにて

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少し古い写真ですが、ワールドカップサッカー大会がスイスで開かれた時に仕事で行っていて、レマンの噴水にサッカーボールがセットされていました。


スイスの時計職人の工房を訪ねた時の事をお話します。
スイスやドイツなどで作られる、機械式時計は世界に知れ渡る、ブランドです。その製作の現場を見ることが出来た事は、大変ラッキーな事でした。ドイツのメトロノームの会社工場を訪ねた時もそうですが、カメラは当然ながらマナーから写せませんので、写真は撮れませんが、かなり詳しく案内してくれるのです。次の機会にその様子を書きます。

その時計製作やダイヤの装飾の現場は、さすがでした。
私達の蒔絵の作業もそれなりですが、これぞハンドメイド、マイスターの仕事だと感じました。またプロダクトデザインが、職人技と見事にマッチしている。また更に、マーケッティングがしっかりセットされているのです。このバランスが世界が注目される市場を作っているのだと確認できました。

日本の漆芸技術も凄いではないかと、言われましたが、日本の現状を比較してしまい、情けない思いをしてしまったジュネーブ日記でした。
posted by 漆ネット at 15:43| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする