2015年08月07日

陶胎漆器と輪島塗の事

NHK朝ドラ「まれ」でとり上げられた、業界上げて取組む「陶胎漆器」の事について一言。

漆塗として唯一国指定の文化財に認定された「輪島塗」の技術を大事にする産地が、新しいモノづくりとして選んだモノが「陶胎漆器」では????である。
しかも、陶器に漆や漆装飾する理由として役者に語らせた事が、次の事???
輪島塗の木の素地では作りにくい自由な形状が陶器素地で得られる。
陶器の冷たい素地を漆で和らげる。
従来なかった新しい模様デザイン。(だったらあの模様は????)

陶器のような自由な曲面構成では、輪島塗の技術の認定要件からしてほぼ無理。
布着せは当然だが、何層にも重ねられる「地の粉」と漆による下地工程が無理。
輪島塗は落下による痛みが軽減されるように工夫されているのに、素地が陶器ではその良さも無し。

漆や漆器のことを少し知っているものは、これらは常識の範疇で、まさか陶器の素地を「まれ」に選ぶなんて????

しかも漆は、化学塗料よりも素地の質感 特に温感を伝え易いのです。
だから、木を素地にするのは、木の質感や温もりを持つ人の手に伝えやすくしているのです。
ですが、木は断熱性があり、陶器の器よりも漆器は汁などが冷めにくい。それを良さとしている。

素地を陶器に、輪島塗の難しいチャレンジ????
輪島塗のような認定に縛られた産地ではなく、漆の塗りや吹付けによる技術を特徴にした産地が充分手がけている手法で、なんで輪島の産地が組合一丸になって??????

しかも、一人前の肩をいからした蒔絵職人が、塗師屋からデザインをもらって仕事をするなんて、ありえない事。蒔絵職人は技術だけではなくデザイン力が命です。過去にも現在もありえない事だが????

漆器にこだわる、また認定された文化財の冠に縛られる業界では、新しいチャレンジや世界のものづくりと繋がる事が難しいから、あえて職人たちが世界と向き合っているのに・・・・。
NHK担当プロデューサーに何も伝えない言わない産地業界は?????

それは、私は大切にしたいのは、輪島塗の認定技術その工程による漆器ではないという事です。
だったら輪島塗の技術や産地の事を気にする必要が無いと思われるかもしれませんが、

是非ともご理解頂きたいのですが 産地の技術専門分野の職人の連携があってこそ、色々な分野や緻密なわざと繋がり得るので、その技の基盤が輪島塗の技術なのです。輪島はそんな専門職に分業化された貴重な職人集団が今でも存在している唯一の産地である事。

目指す方向を同じにする人達とのものづくりの連携で、その最善を尽くし得る懐深い職人技です。それこそが輪島の産地の誇れる事です。
漆ProのProはプロダクツ(製品)から付けたブランド名で、漆の技術を現代の世界の製品と繋がりたい。
そんな思いを大切にしています。それが江戸時代からの工房の意地みたいなもの(笑)

今後は、もう少し肩の力を抜いて書いていきますので、お付き合いください。

posted by 漆ネット at 08:20| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

NHK朝ドラでの輪島塗のこと

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NHKファン、朝ドラファン、輪島塗や漆芸に関わる者として、どうしても我慢ならず、書き始めます。

NHK朝ドラ「マッサン」次は、輪島塗だ と半信半疑だけれど少しは期待していたのです。
今まで静観していたのですが、ここまでされたら、黙っておれない。
こんな書かれ方されたら、輪島塗や輪島のものづくりの本当の魅力が何も表現されていない。それだけでなく間違った表現が多く、これはNHKの番組プロデューサーだけの問題だけではなく、業界の認識不足や危機管理のなさが浮き彫りになっている。

30年以上前から業界で発言してきたが、輪島のような産地がどの様にして成り立ってきたか、先達の人達が時局を見据えて巧みに産地を守って育てて来たのか、大切な要点を見失っていたようだ。

そこで、漆の事に関心を持ってサイトにたどりつかれた方達に、伝統の技を守っている産地の職人を代表して、漆の事や金沢(工芸)の本当の魅力を書いていこうと思います。

よろしくお願いします。
posted by 漆ネット at 01:49| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月13日

海外のブランドやメーカーと 日本のメーカーのものづくりデザインの違いは、どこから

ここまで日本のメーカーの事を書いてしまうと、メーカーの方は何を文句言ってるかわからないでしょうから
パリの応用美術の名門校「エコール・ブール」の事を前に出しましたので、伝統工芸の技をいかしている欧州のメーカーと日本との違いがどうなのか考えるヒントになれば良いと思います。
「エコール・ブール」は世界各国から技術やデザインを学ぶ為入校しているそうです。
私は、パリやイギリスで象嵌を学ぶ方から聞いたのは、ルーブルの装飾品や家具など工芸品の修理修復の技術を継承させる役割ももっている工芸学校だと聞いていました。
エコールブール校内

エコールブール校内 2
古くから伝わる工芸に関する道具もありながら、最新の工具も使える環境で、もちろんルーブルをはじめとする美術が間近にあるから、技術だけではなく美術アートに学ぶ事も多いのだ。
工芸が技だけではなくデザイン能力も高められる要素は、エコール・ブールの教育方針にも所以していると考えられる。ちょうどメゾン&オブジェに出展していた期間に、卒業制作品展示でエコール・ブールが公開されると聞き、内緒だが展示会場を抜け出して、制作品や校内を見る機会を得たのだ。

卒業制作作品の写真の掲載は差し控えるが、フランスらしく工芸の技に加え、応用美術(欧州では必須)を学んだらしいアートを感じる作品が並んでいて、技術だけでは卒業を認めない校方針を感じた。

だから、ここを卒業した工芸職人は、ブランドの製作の現場やあちこちから卒業を待たれているのだ。
故に有力な企業やメーカーからの期待されていてメセナも受けている。

日本の工芸の技を教える環境とは、根底からの違いを感じる。
日本では工芸作家の登竜門は、伝統工芸展や日展をはじめとする美術展での受賞である。そこで文化庁が関わってくるのだ。一般企業やメーカーとは接点を持てるようになるのは、いろいろ障壁がある様に思う。

かたや欧州では卒業と同時にブランドやメーカーにスカウトされるようだ。
日本は作家を目指し、欧州や海外は能力があれば制作ポストが用意されている。

これらの違いがなんと、日本の企業が世界のブランドになりえない所以でないかと考えるのは乱暴だろうか。前にも書いたように、世界のブランドや分野は違うが、新興のアップルのモノづくりまで、何か大切なものづくりの要素を共通して持っているように思う。
あの、となりの国のサムスンが危ういのは何故かを、日本のメーカーは気がついているはずだが、ひよっとして気づいていない??
かも知れません。

ルーブルの修理修復の技術を教えている 「エコールブール」の情報
エコールブール
フランス大使館での紹介ページ
http://www.ecole-boulle.org/
posted by 漆ネット at 21:19| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月04日

「輪島塗の産地から漆万年筆 新発売」 <3>「わざ」単体では光らない

輪島には漆に関する優れた「わざ」があることやその技術が高められた歴史を話してきたが、技術があってもそのわざを生かすステージがなければ、産地は尻すぼみになる事は明らかだ。
江戸時代からの先祖の家訓や工房に残る仕事道具などを感じながら、仕事に向き合って長く仕事していると、色々な事が見え客観的な見方ができるものだ。

昭和の高度成長期の産地の繁栄、さらに平成になると、全国からの色々な特注の仕事の中で、蒔絵装飾の可能性は漆器以外にこそ多くある様に思えてきた。

話は、産地の業態の変化の事にふれてみよう。輪島は産地の現場の努力で作り上げてきた産地でありながら、日本の昭和後期頃からの、他者の販路を頼る業態変化がもたらした事は大きい、高級漆器として輪島塗のブランドイメージがさらに高められて、従来なかった高級漆芸美術品の製作の機会を輪島が得たのである。
だが、それらは漆芸の名品が生れた、漆芸技術の基盤が出来た室町から江戸にかけての漆芸の時代とは、介在者が違うことから、そこから生まれ出るものも違うはずと思っている。

また、良い事ばかりではなく、昨今の状況になる事が、30年前からすでに危機を薄々感じていた。
その事が、欧州や他分野との接点を求めようとした取組に繋がる。

世界が注目する漆芸装飾の魅力


posted by 漆ネット at 14:48| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月11日

メイド イン ジャパン3(足元を見る)

前稿ではメイドインジャパンの復興の鍵みたいな事を書きましたが、それは NHKへの寄稿文を要約したので書けていない事もあり、この場ではもう少し書いてみようと思います。
 
 そこでは、40年伝統工芸に従事し、20年ネットでの情報発信、ここ10年取り組んで来た新たな試みや挑戦してきた事から、今日本のものづくりが岐路に立っている事の現状や問題点から、日本が外貨を稼いでいる(?)大手メーカーが、円安に頼る安易な企業意識に対しての危うさを感じる事などを、表してみたいのです。
 だが、私は評論家ではなく漆に関わる一職人であり、ましてや文筆家でもなく、稚拙な表現や誤字脱字もあるかもしれません事をお許しください。
 メイドインジャパンの危うさを強く感じたのは、8年前からパリ国際見本市に出展したときからです。
支援組織が、日本のものづくりとくに伝統工芸などに関する打ち出し方が、Made in Japan+Japan Designです。だがそこでのものづくりは、日本の伝統工芸の現場を知る者としては決して満足したり自慢できる日本の技ではないのです。海外の人達を甘く見ているのか、日本からの出展物がメイドインジャパンと紹介される事が残念だと思いました。何年も出展を重ねていくと色々判って来たこともありますが、大切なのは有能なバイヤーや目利きのエージェントに、真の日本ならではの技や商品だと受けてもらえるようなものづくりや自信作でないと「Made in Japan」だと紹介してもらいたくない。だけど私が考えるような重みのあるブランド名ではないのかもしれませんが。
 ここまで書くと、あなたはどんなものを出展したのと疑問を持たれるかも知れませんね。当初から海外の展示会では商品ではなく技術を紹介したいと考えていました。日本ならではの漆芸装飾技術を紹介したい。小さな個人事業の工房が海外の展示会に行って何か可能性や効果を見出せるのは、それしかないと云うより、やる価値があると思ったからです。
 その結果がどうであったかは、あとで書くことにして、中小の企業が自分たちのものづくりに対して迷っている、それは今まで順調に仕事を続けられてきた中で、自分たちが自信を持って打ち出せる技を活かせる場を見失っている。はたまた挑戦することに怠慢であったのか、それは景気に乗ってしまっていたのではないだろうか。ただ小規模な企業であっても、これこそがMade in Japanだと自慢できる技を持って事業成果を獲得している企業が多くあります。それらの企業は、わざわざメイドインジャパンとは言わないでしょうね。
 だが、円安頼みの大手メーカーや日本の雇用を支えてきた企業のものづくりの問題点が、以外にも足元にあるのではないだろうか? 残念ながら日本ではiPhoneやiPadのような世界戦略規模の商品が生まれないでしょう。技を生かせていないし、海外の成功企業のようなコンセプトが日本では生まれでないのではないか。
D通信会社が市場を意識するが為、隣国企業の戦略商品に頼ってしまっている現状だから残念だ、日本がメイドインジャパンを生かせていない事も、考えてみないといけないと思う。
 だが、ジョブズ氏亡き後、アップル製品の品質のディテールが少し変わったのは、気になります。

続く

ジョブズファンの職人が考案した iPhone装飾を紹介します。






posted by 漆ネット at 11:26| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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