2015年11月28日

NHK朝ドラ「あさが来た」で見つけた「かんざし」で(2)

ドラマではもうすでに髪飾りも明治にかわり、変わりましたね。

前回の投稿の写真の髪飾りの事について詳しく書いておきます。
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写真の 蒔絵櫛こうがいの模様デザインですが
四君子文様(正確には五聖)です
※「四君子文様」
四君子文様(しくんしもんよう). 蘭、竹、菊 、梅の四つの花で四季を代表する草花を組み合わせた文様で、 平安時代から 日本の文化を感じさせる意匠のひとつ。
さらに詳しく書くと、この蒔絵には、背景を金地にしてあちこちを、べっ甲素材を見せるように抜いてある。それが松(松葉重ね)を感じる「粋」なデザインだ。
ゆえに、四君子に「松」が加わって「五聖」(ご せい)となる。

ついでに、写真には五代目武七(安太郎)の明治37年の塗師業の鑑札(全国に出かけるために必要な物)や、初代の武七の印鑑、 その他は、金の簪、髪飾りの珊瑚の髪留めなど 色々塗師藏の残り物等など。

江戸から明治大正にかけての地方町の小さな工房の昔を振り返るきっかけを「あさが来た」が作ってくれありがたい。
工房のWebサイト
http://makie.urushi-net.jp/makie/
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NHK朝ドラ「あさが来た」で見つけた「かんざし」で

江戸時代からの塗師藏は、200年の歳月で数々の災害に耐えてくれて、色々な物を残してくれた。
例えば、北前船で 輪島塗を造り商いで旅した先祖がもたらした名残物が幾つか手元にある。
今回、その中の髪飾りの幾つかを「あさが来た」と重ねてみた。
nagori-01.jpg
それらは、けっして特別なものではないが、先祖が身近にしていたものだから大切な品。

金で輝くかんざし、べっ甲蒔絵の櫛と笄(こうがい)で、子供の頃から先祖達が使っていたものだと聞いていたので、心に残っている物の一つ。
戦後食料難で色々なものが食料に変わって、多くの物を無くしてしまったが、先祖が愛用していたものは、どうしても手放すことは出来なかったのだろうか少しだけ残った物だ。
数年前に櫛かんざし美術館の所蔵展が輪島で開かれた時に、それらを見てもらったら、金のかんざしと櫛笄は同じ頃の江戸時代と考えられる。べっ甲素材も良いものだと聞くことが出来た。
蒔絵は専門なので、それほどの物ではない事が私も判るが、蒔絵師の名が入れられていて、また共の笄の細工が丁寧な手わざを感じて、次の代に残せるものとして大切にしたいと思っていたものである。

登場人物は江戸の名残で上品な髪飾りがされていた。ドラマでは時代が変りもう見れなくなってしまうが、その髪の飾りを見て、思うのは私の漆業を営んできた先祖武七の妻を思う心と、代々の妻たちがどの様に身を整えていたのか、思い浮かべられて番組「あさが来た」を興味深く見る事が出来た。

次には、「あさが来た」の座敷のシーンで置かれていた漆塗蒔絵鏡台を取り上げます。
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2015年11月27日

朝ドラ「あさが来た」人気のポイント

朝ドラ ファンとして「あさが来た」人気のポイントを読み取ると、描かれている時代やテーマが現代につながっていて興味深い。

江戸期両替屋や呉服商の大店で現代まで日本の経済の重要なポストにある旧財閥の家族を主役に、江戸から明治大正にかけての経済活動、また海外から学ぶ時代を描いているのだと思う。
期を同じく大河ドラマも同じ時代を描いている事もあり、さらに興味を引くのであろう。

けれども、明治大正にかけての時代は、身内である祖父や父母の生い立ちや生きていた時代でありながら以外に知られていない。
NHKの「ファミリーストリー」という番組も中々面白く、繋がっているようでも100年ほど二代三代と遡ると意外にも判らないらしい。そこがその番組の面白さだ。
そんな物語だけの事ではなく、ふりかえると私達の前の時代の人や先代達は、人を頼ることもありながら果敢に時代を読みながら立ち向かっていたようだ。
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わたしの工房も、江戸寛政時代からだからその塗師藏に残った跡から、色々なことが見えてくる。

そんな事を書き連ねて、今後の漆業のあリ方を考えてみようと思う。

江戸寛政年間からの漆蒔絵工房のホームページを現在制作中
http://makie.urushi-net.jp/makie/
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2015年08月07日

世界の一流品に学ぶ事(2)

世界のブランドとしてエルメスを挙げてしまったが、エルメスは?である。
何故かと言うと、テレビ番組で日本の伝統の技で装飾した腕時計を見てしまったのだ。
それは、制作に至った発端からその装飾の制作経過も含め、今年のバーゼルで展示された様子までカメラが取材し番組になったものである。
それは、エルメスのプロデューサーから持ちかけられた企画ではない事は、感じられるのだが、それにしては残念な仕上がりであった。
image-.jpeg
それは、日本の仲介者に問題がある。
フランスのブランドメーカーに、伝統工芸の産地の技を紹介する為に、日本に来て制作の現場を見て欲しいと案内を出したのである。そこでエルメスが腕時計のデザインで日本の工芸の技を使ってみたいと言う話を聞き、陶器の赤絵九谷を繋いだのである。
制作に繋がった上絵師の問題では無い。径3センチほどの文字盤に筆を走らせてこの様な絵を描くには、従来使っている筆の中でも最も繊細な絵を描ける筆をもってしても無理なはずで、結果がこの様な仕事になってしまった。
絵師もエルメスと馬具の事を知って、日本の流鏑馬の絵をデザインにしょうとした思いは判るが、その時には筆や従来の上絵の釉薬では描けないと思わねばならなかったのに、残念である。

またまた長くなってしまったが、先にも書いたように、良いものが商品になるには、仲介者の目利きの技量がが必要だ。

エルメスのプロデューサーは、この時計の仕上がりでバーゼルへ出すなんて。だから、脇の甘いエルメスに?をつけてしまった。けれど日本のそれぞれのトップメーカーの伝統工芸の装飾の利用(欧州の販売会社の社長の表現)から見たら、全然許せる範疇?である。

(続く)

posted by 漆ネット at 21:31| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

世界の一流品に学ぶ事(1)

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日本の伝統工芸やそのわざは、古来その品を届ける相手云わばユーザーを意識して作ってきた。
そんな中で技術だけではなくその意匠デザインも文化が加味された仕事がされている。

私は、漆の中でも蒔絵という仕事に興味を持ったのは、その事が古来からの名品に見えたからである。
小さいながら、江戸寛政年間からコツコツ漆業を繋いで来た工房を、蒔絵という仕事にシフトさせたのもそれが所以であり、世界に繋がっていく為にも、そこが重要であると思ったからだ。

長年周囲の漆に関わる環境を見ていると、漆芸をはじめとする伝統工芸は仲介者や商人に頼る状況が制作の現場まで変化させている事に危惧を感じて、産地の中でも色々な場で話をしてきたが、何も変化が見られない20年以上が経ってしまい、独自に海外に出向く事をここ10年ほどやってきた。

世界のものづくりは、今だに基本を大切にしていたから現在がある事を目にしてきた。
それは、エルメスやカルティエのブランドだけではなく、機械式時計や高級万年筆の制作の場は流石である。
しかも、それらは市場(個人ユーザーまで)を見据えた商品や仕事である。
技術を誇りにしてきた日本、日本を代表するメーカーは世界では名前は知られても商品そのものが二流になってしまっている事に自覚がない。
世界の一流のものづくりをもう一度しっかり見て欲しい。それはメーカーだけではなく、日本のものづくりを紹介しようとする紹介者にも、日本のものづくりの本来の良さがどこにあるかをしっかり見据えて、応援してもらいたいものだ。

(続く)



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