例えば、北前船で 輪島塗を造り商いで旅した先祖がもたらした名残物が幾つか手元にある。
今回、その中の髪飾りの幾つかを「あさが来た」と重ねてみた。
それらは、けっして特別なものではないが、先祖が身近にしていたものだから大切な品。
金で輝くかんざし、べっ甲蒔絵の櫛と笄(こうがい)で、子供の頃から先祖達が使っていたものだと聞いていたので、心に残っている物の一つ。
戦後食料難で色々なものが食料に変わって、多くの物を無くしてしまったが、先祖が愛用していたものは、どうしても手放すことは出来なかったのだろうか少しだけ残った物だ。
数年前に櫛かんざし美術館の所蔵展が輪島で開かれた時に、それらを見てもらったら、金のかんざしと櫛笄は同じ頃の江戸時代と考えられる。べっ甲素材も良いものだと聞くことが出来た。
蒔絵は専門なので、それほどの物ではない事が私も判るが、蒔絵師の名が入れられていて、また共の笄の細工が丁寧な手わざを感じて、次の代に残せるものとして大切にしたいと思っていたものである。
登場人物は江戸の名残で上品な髪飾りがされていた。ドラマでは時代が変りもう見れなくなってしまうが、その髪の飾りを見て、思うのは私の漆業を営んできた先祖武七の妻を思う心と、代々の妻たちがどの様に身を整えていたのか、思い浮かべられて番組「あさが来た」を興味深く見る事が出来た。
次には、「あさが来た」の座敷のシーンで置かれていた漆塗蒔絵鏡台を取り上げます。
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