2014年07月04日

「輪島塗の産地から漆万年筆 新発売」 <3>「わざ」単体では光らない

輪島には漆に関する優れた「わざ」があることやその技術が高められた歴史を話してきたが、技術があってもそのわざを生かすステージがなければ、産地は尻すぼみになる事は明らかだ。
江戸時代からの先祖の家訓や工房に残る仕事道具などを感じながら、仕事に向き合って長く仕事していると、色々な事が見え客観的な見方ができるものだ。

昭和の高度成長期の産地の繁栄、さらに平成になると、全国からの色々な特注の仕事の中で、蒔絵装飾の可能性は漆器以外にこそ多くある様に思えてきた。

話は、産地の業態の変化の事にふれてみよう。輪島は産地の現場の努力で作り上げてきた産地でありながら、日本の昭和後期頃からの、他者の販路を頼る業態変化がもたらした事は大きい、高級漆器として輪島塗のブランドイメージがさらに高められて、従来なかった高級漆芸美術品の製作の機会を輪島が得たのである。
だが、それらは漆芸の名品が生れた、漆芸技術の基盤が出来た室町から江戸にかけての漆芸の時代とは、介在者が違うことから、そこから生まれ出るものも違うはずと思っている。

また、良い事ばかりではなく、昨今の状況になる事が、30年前からすでに危機を薄々感じていた。
その事が、欧州や他分野との接点を求めようとした取組に繋がる。

世界が注目する漆芸装飾の魅力


posted by 漆ネット at 14:48| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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