そこでは、40年伝統工芸に従事し、20年ネットでの情報発信、ここ10年取り組んで来た新たな試みや挑戦してきた事から、今日本のものづくりが岐路に立っている事の現状や問題点から、日本が外貨を稼いでいる(?)大手メーカーが、円安に頼る安易な企業意識に対しての危うさを感じる事などを、表してみたいのです。
だが、私は評論家ではなく漆に関わる一職人であり、ましてや文筆家でもなく、稚拙な表現や誤字脱字もあるかもしれません事をお許しください。
メイドインジャパンの危うさを強く感じたのは、8年前からパリ国際見本市に出展したときからです。
支援組織が、日本のものづくりとくに伝統工芸などに関する打ち出し方が、Made in Japan+Japan Designです。だがそこでのものづくりは、日本の伝統工芸の現場を知る者としては決して満足したり自慢できる日本の技ではないのです。海外の人達を甘く見ているのか、日本からの出展物がメイドインジャパンと紹介される事が残念だと思いました。何年も出展を重ねていくと色々判って来たこともありますが、大切なのは有能なバイヤーや目利きのエージェントに、真の日本ならではの技や商品だと受けてもらえるようなものづくりや自信作でないと「Made in Japan」だと紹介してもらいたくない。だけど私が考えるような重みのあるブランド名ではないのかもしれませんが。
ここまで書くと、あなたはどんなものを出展したのと疑問を持たれるかも知れませんね。当初から海外の展示会では商品ではなく技術を紹介したいと考えていました。日本ならではの漆芸装飾技術を紹介したい。小さな個人事業の工房が海外の展示会に行って何か可能性や効果を見出せるのは、それしかないと云うより、やる価値があると思ったからです。
その結果がどうであったかは、あとで書くことにして、中小の企業が自分たちのものづくりに対して迷っている、それは今まで順調に仕事を続けられてきた中で、自分たちが自信を持って打ち出せる技を活かせる場を見失っている。はたまた挑戦することに怠慢であったのか、それは景気に乗ってしまっていたのではないだろうか。ただ小規模な企業であっても、これこそがMade in Japanだと自慢できる技を持って事業成果を獲得している企業が多くあります。それらの企業は、わざわざメイドインジャパンとは言わないでしょうね。
だが、円安頼みの大手メーカーや日本の雇用を支えてきた企業のものづくりの問題点が、以外にも足元にあるのではないだろうか? 残念ながら日本ではiPhoneやiPadのような世界戦略規模の商品が生まれないでしょう。技を生かせていないし、海外の成功企業のようなコンセプトが日本では生まれでないのではないか。
D通信会社が市場を意識するが為、隣国企業の戦略商品に頼ってしまっている現状だから残念だ、日本がメイドインジャパンを生かせていない事も、考えてみないといけないと思う。
だが、ジョブズ氏亡き後、アップル製品の品質のディテールが少し変わったのは、気になります。
続く
ジョブズファンの職人が考案した iPhone装飾を紹介します。
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